会長メッセージ

田中康弘(設立者・名誉会長)

一般社団法人 日本マタニティフィットネス協会は、人間の一生の中でも最も大切な胎児期に焦点を絞り、妊娠中の健康管理と、出産に役立つ運動療法を研究開発し、その普及のために活動しています。

私がマタニティフィットネスの研究を始めた1981年当時、妊娠中の食事の大切さは認知されていても、運動への理解はありませんでした。運動や乗り物の振動が流産や早産の原因と考え、妊婦には安静を基本とする生活指導が徹底して行われました。そのため何の異常もない妊婦にも消極的、非活動的な安静生活が推奨されてきました。私は妊娠中の生活は胎児の心身の発育に大きな影響を与えると思っています。妊婦の身体的不活動とそれに伴う精神的不活性はそのまま胎児に受け継がれ、受身で失敗を恐れ、運動習慣を持たない若者の増加をもたらしたとみています。

現在進行中の我が国のトリプル少子化は、ぜひとも食い止めなければならない喫緊の課題です。

トリプル少子化とは、
①産まれる子どもの数が少なくなっていくこと(=少子化)
②生まれる子どもが小さくなっていくこと(2,500グラム以下の低出生体重児の増加=小仔化)
③生まれる子どもの精神活性の低下
(Boys be ambitious[若者よ、大志を抱け]のambitionの欠如=少志化)
がすすんでいること、この三つの少子化のことです。

少子化を心配している人たちは人間の数を増やすことだけを考えていますが、増やす人間の質も大切です。いじめや引きこもり、ニートや生活保護受給者の人口が増えても日本の活力を取り戻すことはできません。
少子化を食い止め、国力を回復し、かつての高度成長期のような活気を取り戻すために、現代社会に深くしみ込んだ「妊婦は安静に」の常識を打破しなければならないと思います。人間は初期ほど大切で、その初期とは胎児期であり、胎児にとって母体が十分な栄養摂取と、しっかり運動することが非常に大切です。
妊婦の運動習慣は安産傾向やマイナートラブルの解消といったはっきりわかる効果だけにとどまらず、細菌や疲労や不安などのストレスに対する抵抗力も強めます。また高齢妊娠で家系に高血圧や糖尿病があれば、発症しやすい妊娠性高血圧症や妊娠糖尿病にも抑制的に働きます。
そして最も大事なことは、妊娠中を楽しく活動的に生活することが、お腹の中の赤ちゃんの精神形成にとっても非常に大切であると思います。

そのため「妊娠を機に、運動習慣を身につけよう」という普及活動を展開しています。
当協会は妊婦を応援し、子育てを支援し、日本を素晴らしい国にしたいとの思いで活動しています。
何卒ご理解、ご協力のほどをお願い申し上げる次第です。

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