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【武田淳也先生 スペシャル インタビュー】医療に基づく「マタニティピラティス」プログラムの魅力とは

この記事は、当協会機関誌 MEDEX journal vol.268(11月号)P3に掲載しております。

Special interview

医療に基づく「マタニティピラティス」

プログラムの魅力とは ≪前編≫

日本マタニティフィットネス協会 相談役、整形外科専門医でこの度、JMFA の新しい認定プログラムを制作・監修いただきました武田淳也先生にお話を伺いました。

 

先生がピラティスと出会ったきっかけを教えて下さい。

私はちょうど1999年から2000年のミレニアム・イヤーでお祭りムードになっている時期に、スポーツ医学を学ぶために渡米したのですが、そうしたイベントの影響で移動が難しく、数週間早めにサンフランシスコ入りして滞在しなければなりませんでした。そこで、せっかくなので野球のサンフランシスコ・ジャイアンツのメディカルサポートを行うセント・フランシス・メモリアル病院を見学させてもらうことにしたのです。その病院は、著名な整形外科医でスポーツ医学の権威であったジェームス・G・ゲーリック医師が、ジョセフ・ピラティスの直弟子(第一世代)であるロン・フレッチャー氏と協力して設立したダンスリハビリテーション向けのピラティス施設が併設されており、医療ベースのピラティスプログラムが提供されていました。そこで、私は初めてピラティスというものに触れ、その設備や考え方に強い衝撃を受けたのです。

また幸運にも、その施設の指導者の一人であったエリザベス・ラーカム氏(医療に基づくピラティスで国際的に知られる「ポールスター・ピラティス」を理学療法士で運動科学の専門家であるブレント・アンダーソン氏と共同で設立した人物)と話す機会を得られました。私はその時、なぜか「クリニックを開院したら、ピラティスを取り入れます」と彼女に宣言するのですが、この言葉が数年後、現実となるのです。

そして、私はアメリカから帰国後もスポーツ医学を学び続け、自身のクリニックを開院する際は、ピラティスを医療現場に導入したいと真剣に考えるようになりました。そうした中、自分自身もピラティスを習おうとスタジオにレッスンを受けに行こうとしたのですが、当時、ピラティスの受講者は女性がほとんどで、男性一人では怪しまれる状況だったため、私は妻の友人に付き添ってもらいレッスンを受けました。その後、クリニックを開院するにあたり、スタッフ任せにするのではなく、医療現場に導入する責任者として、私自身が本格的にピラティスの指導法を学ぶ必要があると考え、2005年に再び渡米してピラティス指導者の資格を取ったのです。

 

ピラティスは医療現場でどのように活用されているのでしょうか。

欧米では、もともとピラティスは医療に基づくメソッドというイメージで捉えられています。また、創始者であるジョセフ・ピラティス氏は、自身のメソッドを「コントロロジー」と名付け、単なるエクササイズではなく、自身の身体と心をコントロールし「リターン・トゥ・ライフ(自分自身の生命を取り戻す)」ための学問だと提唱していました。

このように、ピラティスは身体面だけでなく精神面にもアプローチする医療に基づくメソッドです。子どもを授かることは素晴らしいことですが、妊娠によって疲れや痛みを感じたり、精神的に不安定になったりすることもあるでしょう。ピラティスは、そうした身体の変化に対し、心身のバランスをよりポジティブで、強く、活力に満ちた状態へと導くことが可です。実際に欧米では、医学的なエクササイズ・メソッドとして、妊婦のサポートをはじめ、産婦人科の分野でも広く用いられています。

さらに、ピラティスは、大きくなったお腹を抱える妊婦さんが日常生活でどう身体をコントロールすれば良いかといったサポートにも役立ちます。そのため、初めて出産を経験する方はもちろん、大きなお腹で小さな子どもも育てなければならない、二人目、三人目のお子さんを授かった妊婦さんをケアする観点でも、非常に有益なメソッドだと考えています。

武田淳也

当協会のマタニティピラティスの理念を教えて下さい。

私は整形外科医として、日頃から「腰が痛い」「膝が痛い」といった一般の方々の日常的な身体動作の問題に向き合っています。こうした問題の解決策として、運動が良いと様々な場面で言われますが、妊婦さんの場合は身体にかかる負荷が高まり、内分泌系の変化も起きているため、通常以上に、より正確で繊細なアプローチが求められます。

そのためには、ピラティスを単に体幹や骨盤底筋を鍛えるエクササイズとして捉えるだけではなく、姿勢やアライメント(姿勢や動作における骨と関節の適切な配列)から、その人の状態を正しく評価し、自分の身体をコントロールするアプローチとしても理解することが大切です。そうした側面を含め、ピラティスの基本を医療ベースで学べる点が、日本マタニティフィットネス協会のマタニティピラティスの大きな特徴だと考えています。



武田淳也武田 淳也

●日本マタニティフィットネス協会 相談役

●医療法人明和会 整形外科 スポーツ・栄養クリニック(代官山・福岡)理事長

●日本整形外科学会専門医

●日本抗加齢医学会専門医

●日本リハビリテーション学会認定臨床医

●日本スポーツ協会認定公認スポーツドクター

●Motor Control:ビヨンド・ピラティス®代表・ファウンダー

●NCPT:米国国家認定ピラティス教師

●Pilates Lab 代表

●機能的骨盤底筋トレーニング「pfilAtes TM」アジアエリアコーディネーター・IRトレーナー

 


「JMFAマタニティピラティス(マット)」の詳細ページはこちら

https://www.j-m-f-a.jp/pregnant/maternity-pilates/

「JMFA マタニティピラティス認定インストラクター 養成講習会(マット)」詳細・お申込みのページはこちら

https://www.j-m-f-a.jp/topics/aboutus/6760/


インタビュー後編11月26日(水)にアップ予定です。お楽しみに!

機関誌 MEDEX journal vol.269(12月号)に掲載予定。

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